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“女子ども”化する住宅に対する揺り返し現象

2011.12.09

子どもに独立した個室を与えることも、多少の是非の論議が残っているにしても、半ば常識化している。しかも子ども自身も中学生ぐらいになると自分の部屋について明確な要求をするし、両親もそれを認めてやりたがるので、子ども部屋は膨張する傾向にある。ただでさえ広いとは言えない居住空間は、家事労働軽減のための設備や子どもの個室に圧迫されて、ゆとりを失い、また圧倒的に増えた家具、家財道具が多くは女の目で選ばれていて、住宅全体がいわば“女子ども”化している。

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そういう状況の中で男が家全体を自分の専有下におけないとなると、俺だって時には一人になりたい、“自分だけ”の場所が欲しい、と思うのが当然だ。そう思って見まわすと、子どもたちには子ども部屋があるではないか。なぜ俺の部屋がないんだ!ってことになるわけ……。つまり現在における書斎への憧れは、男が戦前、住宅全体に持っていた支配権を放棄したことを前提としている。男は、この支配権がもはや取りもどしようがないことを悟った上で、自分だけのささやかな逃げ場所を求めているのだ。言いかえれば、これは戦後の日本の住宅が「女子ども化」したことへの一つの揺り返しである。