銀行など民間金融機関による住宅ローンの状況を見てみましょう。当初の民間住宅ローンは、全期間固定金利型でしたが、昭和50年代に入って変動金利型住宅ローンが登場しました。短期預金を原資としていた民間金融機関は、長期のローンを提供することによる金利変動リスクや流動性リスクを軽減することが可能となり、民間金融機関による住宅ローンは変動型が主流となりました。貸付残高を見ても、1965年度末で全国銀行・相互銀行合計で約460億円だったのが、1975年度末で7.4兆円、1981年度末で18.7兆円と急増しています。バブル経済崩壊後、民間住宅ローンも1時的に停滞した時期がありました。しかし、1994年に住宅ローン金利に関する規制が撤廃されたため、それまでの全期間固定金利型や変動金利型に加えて、一定期間(2年〜10年)金利を固定し、その期間を経過した後に改めて金利を選択できる固定金利期間選択型が登場するなど、住宅ローン商品は多様化するようになり、民間金融機関の住宅ローン市場への積極的な参入が見られるようになりました。民間金融機関が住宅金融を本格的に担うようになれば、それまで民間では賄えなかった長期・低利という住宅金融を支えてきた旧住宅公庫の役割は小さくなるはずです。ただ景気対策の強力な担い手として、旧住宅公庫は引き続き存在していきます。
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